もうすぐ6月も終わりなんですね。もう一年の半分が過ぎようとしている今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか?笑
去年の10月から製作しているキリム。100×60cmくらいの、これまで自己最大のものですが、いよいよ完成間近となってきました。キリムの進み具合を見ると、月日の経過を感じますね。お子さんのいる家庭もこんな感じなんだろうなと勝手に想像します。もっと大変かと思いますが。
製作中の大きなキリム。木枠から作っていて、そこに5mm幅で釘を打ち込んでます。で、たて糸をかけていくのですが、できる限りピンと張るために力いっぱい引っ張りながらかけていくので、結構大変です。かなり疲れるところですが、張り具合が出来を大きく左右するので、ここは踏ん張りどころ。
たて糸のテンションが弱いと、一本一本が左右にブレて、全体が歪みやすくなります。土台が大事と言いますが、キリムの土台はまさにここかなと。たて糸の張り具合。作業を想像してみるだけでもシンドイので、その重要さゆえの真剣さも相まって、まぁまぁ辛い作業と感じてる模様。その分、きちんと張れたときの喜びもひとしおで。
たて糸と並行してのデザイン決め。昔の大きなキリム(オールドキリム)から一部デザインをいただいて、自分なりに再構築、色決めをします。伝統的なモチーフはやっぱりカッコいいし、織りやすいし、想いが込められてる。それぞれのモチーフの意味を感じてると、先人と繫がるような気がして、また楽しい。自分がこうして織ってるのも先人たちのおかげだと、頭ではなく体感できる。
その感覚がフィードバックして、ギターでもブルースの先人たちのフレーズを聴くようになった。シンプルだけど味わい深くて、そして自分が好きなギタリストたちのソロにも使われているフレーズがたくさんある。先人たちのものを発展させてきたのが、ぼくの好きなハードロック、ヘヴィメタルだったわけで、源流を辿ることの大切さを知りました。
難しく聞こえるそれは、シンプルなフレーズの積み重ねから生まれていることを知ると、作り方も見えてくる。まだできてないけど。準備中。笑
話はキリムに戻りますが、デザインを決めたら図案に起こします。このモチーフはたて糸何本分で、どこから始めてどこで終わるのか。何段織るのか。それができたら、今度は張ってあるたて糸にそれをプロットしていく。水性ペンで目印をつけていく。書いてて、この作業も苦手そうです。ここを間違うと、これまた全体のデザインがおかしくなるので、重要なところゆえ。
苦手というか、その作業の重要度が分かってるからこそ、真剣に取り組むからそれで疲れる。だからあんまりやりたくないだけ、かもしれない。作曲でも同じ傾向あり。
ここまで来れば、あとの作業はだいぶ楽です。図案が間違ってないか確認しつつ、あとは手を動かすだけ。左右の端の歪みを気にしつつ、できるだけ真っ直ぐになるように調整しながら織っていく。この作業は好き。地道なのを淡々と続けるのが好きなのは、夢拾いも同じ。
途中、複雑なモチーフは試行錯誤が必要だけども、一度クリアすると、次が楽になるのは人生と似ている。あとはいかにキリムを織る時間が作れるか。やりたいこと、夢の達成のためにいかに時間を作れるかも、人生と似ている。キリムから学ぶ人生。
9ヶ月織ってきたキリムもいよいよ完成が近づいて、嬉しくもあり寂しくもあり。面白いのは、作ってる最中はあんなに大きく見えてたのが、完成間近の今は小さく感じるということ。木枠作ってた時には「こんなのできるのか?」と思ってたし、途中「もう今回で終わり!」と嫌になってた時もあり。でもまた次を織るのでしょう。
次回作。先生と話してたのは、今回のさらに倍のサイズ。どうなることやら。笑
なにが伝えたいわけでもなく書いてきましたが、そのおかげで自分をまた少し知れた気がします。お付き合いいただきありがとうございます。
写真はもうすぐ完成の大きなキリム。